2009年4月17日金曜日

01-11ひたすら3800キロ、あとがき

帰宅した翌日、1年ぶりにさびしんぼうを見た。

記憶のままの景色だと思っていた尾道の風景は、随分と変わっていたことに気づいた。

町中に高層マンションが建ったり、古い町の中にも突然真新しい空き地があったりと。

だが肝心なものはしっかりと残し、映画の雰囲気を感じるには差し支えのない程度であるのは間違いない。

壊さず保っていく、その姿勢は見習うべきだと思う。

鹿嶋はいじられすぎてしまった。

古き良きものを残すことを前提にしていない街の拡張によって、商店街はすっかり寂れ、数千年の歴史があるはずの神宮前の参道は、歴史ある建物に不釣り合いな程綺麗になってしまった。

鹿島臨海工業地帯の開発によって新しいものを受け入れたために、大切なものを忘れてしまったのではないだろうか?

他の町ではマネしたくても出来ない素晴らしい歴史背景を、否定して進化してしまったのではないだろうか?

長い旅の中、沢山の町並みを見終えた、今思う。

新しさと古さが共存する町に戻して欲しい、と。

せっかく再び新しいサッカーという起爆剤を受け入れ、鹿嶋を全国区にのし上げたのだから。


話は逸れるが、この旅を終えて深く考えたことがある。

あなたは同性愛や、自殺をどう思うだろう?

自分はどちらも否定しない。

スケールの大きな話しになってしまうが、地球という大きな器の生態系では自浄作用の様なものがあるという話しを聞いたことはないだろうか?

例えれば地球が一つの生き物でその上に生きている生物たちは血や水その他身体を構成するのに必要な物質、と言うことだ。

その物質の一つ人間は、急激に、そして明らかに増えすぎている。同性愛も自殺も、地球という一つの生き物が出した信号ではないだろうか?

つまり、繁殖を抑えるための同性愛、そして、人口を減らす為の自殺。

そんな理由は人間が後から勝手に想像して後から付け加えたものであるかもしれない。だが真実はどうであれ、自分はどちらも否定しない。

皆さんはどうだろうか?

それぞれ思うことやこだわりや生まれ育った環境があるだろうから、肯定は出来ないかもしれない。

でも、同性愛者の内面も見ずただ気持ち悪いと言う言葉で片づけてはいないだろうか?

とくに自殺に関しては、認められない人が多いだろう。

なんて馬鹿なことをと思うだろう。でも自殺した人は、自分の人生を自分で選んだのだ。確かに周りに迷惑をかけたかもしれないが、悩み抜いて、生きることを否定したのだ。身近な人がもし自殺したら、誰もが悲しむだろう。俺だってそうだ。でも、その人の選んだ道を、どうか否定しないで欲しい。認めてあげた上で、別の世界へ送ってあげて欲しい。

これは実際に俺の感じたことだが、同性愛者には優しい人間が多いし、自殺経験者は自分には考えもつかない鋭い視点で世界を見ていたりする。

だから、身の回りにそんな人たちがいても、一歩下がって考えて欲しい。

地球が出したSOS”を思い出して欲しい。

そして、今まで見向きもしなかったり見ることの出来なかった世界に触れることによって、皆さんの視界が広がることを望みます。


さて、ここで肝心の旅日記へ話題を戻そう。

旅の後の不摂生な生活が祟って正月明けに体調を崩したが、旅から一月経ち、この紀行文もようやく書き終えることが出来た。

あとは仕事が見つかるかどうかだ。

厳しい現実を受け止め、めげることなく、諦めず、何がなんでも見つけなければならない。

溜まった借金を返すために、そしてまだ遠くにある夢を叶えるために、例えフリーターでも働かなければ。


旅立つ前は、こんな風に考えられなかった。逃げる方向にしか、思考が向かわなかった。

どうやら前向きに成れたようだ。だからこの旅は、正解だったと言えるだろう。

そう、この旅でいろいろな経験をした。

ものすごく辛かったけど、ものすごく楽しかった。簡単に言い表せばそれが適当な言葉だと思う。でも心の中の変化は、そんなに簡単なものではない。

見知らぬ人とのふれあいで勇気を貰い、めげそうになって諦め掛けたときに見えた絶景や、美味しい食事。10日間に見え身体に触れ感じた全てが、この1年で自信をすっかり失っていた俺に力を与えてくれた。

そして写した写真やビデオが、これからも俺を励ましてくれるに違いない。


「何を迷っているんだ?やればこれだけ出来るんだよ。突き進めよ!」と。


うまく言葉で説明は出来ないけれど、それだけは確かだ。この紀行文を読んだ方がもし、めげそうでどうしようもなくなった時、例えバイクの免許を持っていなくても、勇気を出して一人で長旅をして欲しいと思う。

これから人生を歩んでいく上で、最高の経験をきっとするだろうから。


そう、旅に出ようよ!

仕事や家のことを考えると頭が痛いかもしれないけれど、それを越えれば勇気が必ずみなぎるから!

きっと大きなプラスになるから!


〜完〜



総走行距離  3712キロ  (フェリーを含めると4000キロ弱)

総給油量   108.8リットル

燃費     リッターあたり33.74キロ


ビデオ録画総時間 1時間15分


写真総枚数    404枚

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