2009年4月17日金曜日

01-02ひたすら3800キロ、旅2日目 2003/12/21

朝6時起床、8時に朝食。見晴らしの良いレストランで食事しながら、ホテルの人に話を聞くと、目の前に見えるのは伊勢湾とのこと。と言うことは海の左向こうに見えるあの陰は御前崎かなと勝手に想像していたのだが、フェリー乗り場に行って違うことに気づく。夜だから気づかなかったが、このホテルの場所は岬よりも幾分湾内寄りだったのだ。左向こうに見えていたのは紀伊半島の東端、鳥羽。右手に見えていたのは伊勢湾でなく三河湾。その間の海が伊勢湾だったのだ。地図上でその大きさは知っていたが、目の当たりにした伊勢湾に改めて驚く。9時10分発10時5分着の船旅。生まれて初めてのフェリーと喜んでいたが、揺られているうちに勘違いだったことに気づく。中学の修学旅行で金谷フェリーに乗っていた・・・ま、自分のバイクで乗るのは初めてだと思うことにしよう。動き出すフェリーの窓越しに、風にながれる雲を眺め、斎藤誠のWaltzInBlueを聞く。これがまたバッチリはまっていて、改めてこの曲を惚れ直す。岐阜の山を越え北から吹き下ろす強風に煽られて、海はしけ。かなり揺れたが、オフロードのバイクでウオッシュボードを走るのと比べればかわいいもの。もちろん酔うはずもない。せっかく船に乗ったので、外で強風にもまれながらビデオと写真を撮る。程なく港に入り、この旅7番目の県、三重へと到着。国道167を南下しながら、地図を買うためコンビニを探す。愛知県でもそうだったのだが、この辺りにセブンイレブンなど全くなく、ほとんどがサークルK。紀伊半島と四国が載った地図が欲しかったのだが、あったのは紀伊半島西端の載ってない中部道路地図。買わずにこのまま行ってしまおうかと考えたが、買っておいて正解だったことをすぐに思い知らされる。県道16から国道260へ抜けた直後に見えた五カ所湾はきれいだった。海面に突き出ていたあのいくつもの網は何だったのだろう?何かの養殖でもしているのだろうか。などと気にしながら、国道42にのれば潮岬まで一直線だと思っていたのが間違いの始まり。標識に右折国道42と見えたので何も考えずに曲がったのだが、道は山間に入って行くばかりで一向に合流しない。10分ほど走ってから、さっき買った地図を見ると、右折してはいけなかったのだ。今までの旅では、間違ってもそのまま走り別のルートを探していたのだが、今回の旅、次はいつ出来るか分からないので引き返すことにした。無事に国道260へ戻り、そのまま紀伊長島町へ。さっきまでは房総半島でもないくらいの山と海の間にひしめく静かで小さな田舎町ばかりだったのだが、この辺りからは平地も広くなり幾分大きな町になった。そしてそれにあわせるように直線道路も増え、気候は温暖で、海は風も波も静か。波もなく、太平洋がこんなに静かでいいものか?と心配してしまうほど。ここで運命の出会い(?)。銚子橋という文字につられバイクを止め川をのぞくと、そこはなんと銚子川。由来は分からないけど、何の気なしに通り過ぎてしまうかもしれなほどの小さな川に目を留めたのは、やはり何か惹かれるものがあったのだろう。(俺の先祖は遙か昔から銚子の人間)再びバイクを走らせると海から離れ、尾鷲市から熊野市にかけては山間を抜ける。この辺りは童話「種まき権兵衛」の発祥地らしい。記憶の片隅にあった物語が蘇ってくる。そんな童謡からは想像も付かないほど昨日の雪はひどかったようで、海が近いのに山肌にはしっかりと雪が残り、そのせいで気温はグンと冷え込んでいる。道路案内板によると3度だとか・・・程なく再び太平洋が見える海沿いの道へ。新宮市は、昔見た映画の舞台。「ときめき海岸物語」という、今となっては誰も知らない映画で主演鶴見伸吾・冨田靖子。サーファーのお話なのだが、実際目にして果たしてこんな静かな波で乗れるのだろうかと、かなり疑問に思った。どこで撮影したのか特定する術もないので、止まらずに走り続ける。時々信号に引っかかりながらも順調に進み、那智勝浦から太地町へ。鯨で有名な町だ。止まってゆっくり見たかったが、今日は出発直後のフェリーでロスしていたので先を急ぐ。中部地区は関東と違い、交通マナーがかなり良い。昨日からそう感じていたのだが、やはり馬鹿はいた。自動車が何台か詰まっていて早く走れもしないのに、追い越し禁止を無視し、バイクにぶつかるほどの切り込みで割り込んできた奴がいたのだ。あまりのひどさに頭に来たので、クラクションを何度か鳴らす。その自動車、無理して割り込んだくせに、結局信号で俺に抜かれてしまい全く意味なし。その怒りを収めるに十分な、海沿いの景色を見ながら走る。古座町をすぎるといよいよ串本町、そして潮岬だ。今回の目的地の一つ、本州最南端。房総の白浜と違い、波穏やかで、視界を遮るものが何一つない壮大な眺めだ。碑の前で記念写真を撮る女性2人組、聞き慣れない言葉と思っていたら中国語だった。しかもツアー客で、バスで来ていた。最近の日本は東アジアの観光地といわれているが、関東でそれは実感出来ない。しかし雄大な自然の残るこの地では、旅のせいもあるのか立派に実感出来た。遠くへ来たのだな、と変な感銘(?)をうける。観光客も消え静かになった岬でゆっくりと海を眺めていたかったが、あまり時間がないので写真とビデオを撮り、20分ほどで再び走り出す。日はだんだんと傾いていく。海は夕陽に揺らめき、きれいだった。日が沈む前に写真を撮った。今日はフェリー乗り場のある和歌山市まで行くつもりだったが、出発の時点で無理なのは分かっていたので途中から白浜へと決めていた。理由は2つ。温泉で有名なこと。そして有名な旅館街だから、必ず泊まれると踏んだこと。まだ風呂には入っていないのだが、この民宿は凄い。6階建てのビルでまだ新しく(もちろんエレベーター付)、食事にはでっかい伊勢エビとタラバガニの足が入った鍋物、ご飯、そして鍋に入れるうどんだ。あっさりして旨い上に満腹。昨日のホテルが記憶から消えてしまうほどに豪華な食事だった。今日は他の宿泊客と同じ場所での食事だったが、聞こえてくる関西訛りの言葉に感動。遠くに来たんだな、としみじみ感じる。ここを教えてくれた観光案内所のお姉さんには感謝感謝。たった500円払っただけで、こんなに良い場所を教えてもらえるなんて(もっとも無料案内所というものが存在する観光地もあるのだから高いとも言えるかもしれない)。

そこで聞いた話では、最近の温泉街は飛び込みの一人客は泊めてくれない所が多いそうだ。理由は言わなかったが、不景気の影響があるのは明らかだろう。値下げして一人では割に合わないとか、自殺する人がいるとか、たぶんそんな所だと思う。部屋の場所は良くない為展望はないが、急な飛び込みだから仕方ないだろう。さて、明日は和歌山まで一直線、そしていよいよ初めての四国だ!では、温泉露天風呂に行って来ます!しかしこれで8000円は安いよ・・・


追伸 囲ってあって外は見えなかったけど、最高!露天風呂は貸し切り状態。ぬるぬるした温泉で温くなく熱くなく。またまたゆっくりと浸かってしまったのでした。


データー

出発   午前8時30分

到着   午後5時30分

走行距離 312キロ(愛知県渥美郡渥美町→三重→和歌山県西牟婁郡白浜町)

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