2009年4月17日金曜日

01-01ひたすら3800キロ、旅1日目 2003/12/20

近所の迷惑を考え、旧国道沿いまでの500メートル、バイクを押し、しばらく暖気運転。朝の気温は3度。気温が低いにもかかわらず寒さは感じなく、これは大丈夫と思ったが走り出し夜が明け始めるに従って一変。空気の流れとともに底冷えが訪れる。ま、今日は特別早い出発だから、今後こんなに寒い思いはしないだろう。この旅の予定では朝は8時30分出発、夕方は4時30分にはホテルにチェックインするつもりでいるから。国道356・国道464・国道6といつものコースで東京を目指す予定が、どこを間違ったのか解体中のザウルス前に出て、そこから国道14を経て国道1へ出る。今日中に愛知県は越えるという目標の中、時間ロスに繋がる間違いを悔やんだが、このコースは寸前まで悩んでいたもの。市川の浮谷家の前を通れたので良しとしよう。ここで予定外の混雑に巻き込まれる。渋滞なんて土曜朝の東京に無縁だろう、と思っていたのにとんでもない話だった。そのせいで、3時間以内に東京を抜ける予定が、4時間近くかかってしまう。皇居を右手に見ながら入った国道246は、時々混んだがすこぶる快調で、あっという間に神奈川へ入る。当初の予定では富士山の写真を撮るつもりだったのだが、近づくにつれ、北から吹き下ろす強風のせいで裾野以外は何も見えず諦めながら通り過ぎた。静岡に入ると、それまで曇っていた空もきれいに晴れ、まぶしいほどの太平洋が出迎えてくれた。駿河湾だ。ここでも写真を撮りたかったのだが、国道1を通る自動車の早さにめげ、これも諦める。順調に流れ、昼食時を過ぎ何か食べたいと注意しながら走るが、都市部を避けるように繋がる陸橋のようなバイパス沿いにはあるはずもなく、空しく通り過ぎる。その後大きめな町を見つけたので、バイパスをはずれ町中をトライするが不発。いくつかの町で探したが一人で入りやすい場所が見つからず、結局午後2時、藤岡市のcoco壱番屋でカツカレーを食う。この時点で、もう伊良湖岬のフェリーには間に合わないかもしれないと感じていたが、諦めずに、下がりはじめた気温の中走り続ける。冬は夕方の訪れが早いのだ。浜名湖から太平洋にそそぐ湾の傾き掛けた夕日はきれいだったな。たぶん、今日の景色で一番だったかもしれない。でも、たどり着くことに一生懸命でここでも写真を撮れず。道は会長に流れ、すぐに愛知県へと入った。太陽が水平線に近づくに従い、煌めきが暖かさを感じさせる海とは違い寒さはどんどん増してくる。走りながら身体がぶるぶる震えた。やがて太陽は見えなくなり、夕焼けの名残が山中へと入った国道沿いへと注ぎ込む。もう海は見えない。フェリー乗り場のある伊良湖まで20キロを切った頃だろうか、とんでもない光景を目にしてしまった。なんと測道に雪が!寒いわけだ。南に来ているのに、まさか鹿嶋よりも寒い思いをするなんて・・・走っている時は必死だったので考える余裕もなかったが、後で思い返してみるとこの国道42は春秋くらいに来ると最高のツーリングコースかもしれない。適度にワインディングがあって、適度に田舎で。いつかまた来てみたい。やっとの思いで伊良湖に到着したときには、夕焼けの名残はすっかり消え、近くに都市もないせいで辺りは真っ暗。体感温度0度以下でブルブルを通り越しガクガクな身体を抑え、フェリー乗り場を確認。そこで年輩の従業員に教えてもらったのが、すぐ近くのホテルだ。

受付で住所氏名を書こうとするが、手の震えは治まらず、それでもフロントの人は「暖まってからで大丈夫ですよ」と優しい言葉をかけてくれた。値段は一泊夕朝食付きで1万円。飛び込みにもかかわらず、新鮮な海の幸と品数の多い夜食を出してくれた。食べ終える頃には、ビールのおかげもあり身体の震えも止まり、大満足。しかも予約客より遅い時間だったせいか食事もひとりで静かにゆっくり出来たし、風呂に関しては大浴場に一人だけと、何もかも貸し切り状態で最高だった。湯の温度も熱いのは苦手な俺好みで、ついつい長湯をしてしまったのは言うまでもない。そうそう、知らないことは怖いなとしみじみ感じたことが一つ。このあたりは、暖かい場所と思いきや冬は結構寒いと言うことを、受付のお姉さんが教えてくれた。なんでも日中雪が降ったらしい。さらに驚いたのは、テレビのニュース。午後6時半の時点で、名古屋はまだ、小雪がちらついているとか・・・知らないと言うことは、ホント恐ろしい。一日目から心配するのも変だが、このペースで海沿いを走ると十日以上かかってしまう。どこかを諦めるか、それとも途中でフェリーに乗って帰るかのどちらかにしなければならないかもしれない。ま、九州の最南端まで行ったら考えるとするか。そうそう今日の午後と明日のコースは、14歳の浮谷東次郎が原付で走ったであろうコースとほぼ同じ。そのころとは景色も走る自動車のスピードもだいぶ変わっただろうけど(40年も昔だから・・・)、出会う景色と感動はきっと同じだと、信じられる。


データー

出発   午前5時ちょうど

到着   午後5時30分

走行距離 465キロ(茨城県鹿嶋市→千葉→東京→神奈川→静岡→愛知県渥美郡渥美町)

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