2009年4月17日金曜日

01-03ひたすら3800キロ、旅3日目 2003/12/22


朝6時、携帯のアラームで目覚める。寝付きは悪かったのだが、どうやら熟睡していたようだ。温泉街にふさわしい静かな朝。顔を洗い、歯を磨き、着替えて、7時に朝食をとる。さすがに早起きは俺だけのようで、一人静かに食べる。7時30分チェックアウト。民宿の主人はまだ寝ていたようで起こしてしまった。ぼさぼさにたった髪の毛が印象的(笑)。聞くと、和歌山までは下道で2時間半、途中から高速にのると1時間半とか。どっちにするか悩んだが高速を使わない旅にしたいという目的を守り下道に決め走り出す。異変は突然訪れた。出発して10分もたたないうちに、国道42へ入るための信号待ち途中にエンジンが突然ストール。どうやら暖気が足りなかったようだ。国道42は至って快適。早く出発したのが幸いして、すいすい流れて行く。しかし比較的大きな都市が続くせいか、これといって止まって見るような場所もない。山間を抜け有田郡に入ると、道端のミカン販売所が増える。そう言えば有田ミカンは有名だな、などと考えていたら、関東では想像も付かない景色に出くわしてしまった。国道42沿い、両脇に見える標高数百メートル級の山々全てがミカン畑なのだ!それも延々10キロ近く。この景色には驚かされた。やがて和歌山市内に入り、フェリー乗り場を探しているうちに昔ながらの街(といっても家々は新しいので道が狭いということ)に迷い込んでしまった。しかしすぐに抜けることが出来、幸か不幸かフェリー乗り場への標識が目の前に現れ、無事に到着。10時過ぎ、フェリー乗り場の受付で用紙を記入し渡そうとすると、販売は50分前からと言われたのだが、そのイントネーションがまた優しくて・・・この辺りの言葉に惚れてしまいそうなくらい(ちなみに受付は若い女性、だからと言うわけではない)。切符を買いフェリーの前で待っていると、相模ナンバーのZRX1200が止まる。ここでこの旅始まって以来のライダーとのおしゃべりが実現。そのまま乗り込み、絨毯敷きの広い船室で話に花が咲く。聞くと厚木から大阪を経てここまで来たとか。こちらも旅の報告をし、いろいろな情報を聞く。目指す室戸岬近くにはライダーズハウスがあると聞いたのだが、詳しい場所が分からず結局そこへは行かなかった。しばらく話した後は、ゆっくりと時間を過ごす。昨日のフェリーに続き、この旅のテーマ曲とも言えるWaltzInBlueを聞いたり外の景色を楽しんだりしながら、2時間の船旅はあっという間に過ぎた。フェリーが接岸し、そのライダーとはここでお別れ。9番目の県(正確に言うと東京は都だから8番目)、徳島だ。生まれて初めての四国。和歌山よりもさらに空気が暖かいのは気のせいではないようだ。四国の地図を買うためコンビニを探す。徳島市から隣の小松島市に入り、ローソンで一休み。午後2時前に遅い昼食をとる。昨日の地図と同じ昭文社の800円地図(安い上に見やすく県道レベルまで分かるのでお気に入り)なのだが、四国中国全域をカバーしていてかなりお得感が高い。これでこの旅、後は九州の地図だけ買えば用が足りる。10分ほどの休息の後、国道42を南下する。道路は今まで以上に空いていて快適の一言。この旅初めてのピースサイン(ここ10年ほどで誰もしなくなるほど廃ってしまった挨拶だが・・・)は相手がちゃんと返してくれた。うれしかった。この土地の大らかさが、そう言う気分にさせてくれたようだ。しかしたった10分の間に5台の白バイとすれ違うとはどういうこと?海南町で給油。聞くと室戸岬までは約1時間とのこと。まだ夕陽までは間に合うとの望みを託し、先を急ぐ。ガソリンスタンドの年輩の従業員、ラーメン屋のKさんに似ていたな。確かKさんは四国の出身だったっけ。親戚だったら笑えるかも。この辺りは、房総半島で言うところの鯛ノ浦のような感じ。波が静かで透き通り、海に突き出た岩山が印象的だ。そしてトンネルをいくつか越えると、景色が一変する。海の間際まで迫った山とほんの僅かな浜のと間にある道を走ることになる。太陽は高い山の向こうに消え、空気が急に冷え込む。しかし日没までは時間があるので、左手に見える東の海は相変わらず明るく輝いている。室戸岬まであと15キロを切った頃からだろうか、何度も工事中に出くわし足止めを食らう事になる。日没へのカウントダウンが空しく過ぎて行く中、仕方ないと黙って待つ。いくつか重なった峰が一つ消えるごとに山の向こうの空は夕焼けに染まり、山の濃い緑と、海の青さと、広さとが目に焼き付く。そしてとうとう室戸岬へ到着した!この旅2番目の目的地。岬の小さな駐車場から夕焼けが見えなかったため、50メートルほど先の空き地にバイクを止めた。どうやら、この旅が遅れ気味に進んでいることに感謝しなければいけないようだ。35年生きた中で、見たこともないほど最高に素晴らしい夕焼けだったのだ。しばらくその余韻に浸っていた。もちろんビデオと写真に収めたのは言うまでもない。そして水平線を赤く染める夕陽の余韻を左手に見ながら、今日の宿を探した。意外なことに、岬の近くにはほとんどホテルらしいものが見あたらず(後に知ったが見逃していたようだ)、20キロほど北上した。高知まで2時間かからずに行けそうだったので、このまま走り続けそこでビジネスホテルを探そうとも考えたのだが、途中の看板で目を付けていたホテルが運良く空いていて、そこを今日の宿とすることにした。素泊まりで5800円。一度3階の部屋に荷物を置き、1階のレストランで生ビールとマグロ定食を食べた。刺身はさすがに新鮮で、魚を食べ慣れた俺でも満足のいくものだった。6時30分に部屋へと戻り、1時間掛けて今日の日記を書き上げた。テレビから流れてくる番組は、もう関東とは全く違う世界(笑)。これも旅の醍醐味か?しかし2日続けて露天風呂とは運がよい。さて、どんな感じの風呂なんだろう。ところで、ここ2日フェリーに時間をとられ距離を稼げなかったが、明日はどんなに遅くなっても九州に上陸しようと思う。今度はビジネスホテルでも構わないから。そしてあさってには鹿児島だ!


追伸 温泉ではないが木造の立派な大浴場と岩で飾り付けをした大きめの露天風呂と2つあり、おまけに柚がたくさん浮かべてあって、ジャグジーのように泡の吹き出す立派な風呂だった。

慣れないリュックで凝りかけていた肩の疲れも、この風呂のおかげですっかり休めることが出来た。旧館に泊まれば4800円な上にこの風呂へ入れるのだから、このホテル結構徳かも。


データー

出発 午前7時30分

到着 午後6時

走行距離 283キロ(和歌山県西牟婁郡白浜町→徳島→高知県安芸郡奈半利町)

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